
オンライン英会話とAI英会話を法人研修で比較|自社に合う導入パターンの選び方 組織・人材育成2026.10.06


社員の英会話力を高める研修方法として、オンライン英会話に加え、AI英会話も身近な選択肢になっています。
生成AIの進化により、AIを相手に自由に会話を続けられるサービスも登場しています。
では、オンライン英会話とAI英会話にはどのような違いがあり、自社にはどのような取り入れ方が合うのでしょうか。
この記事では、両者を法人研修の4つの観点から比較し、重視する点ごとに4つの導入パターンを紹介します。
なお、研修目的や対象者、到達目標の決め方から整理したい場合は、以下の記事もあわせてご覧ください。
企業の英語研修、何から始める?企画からサービス選定・効果測定まで7ステップで解説
https://sbbiz.jp/column/corporate-english-training-guide
この記事は次のような方におすすめ
社員向けの英会話研修を新たに検討している人事・研修担当者
オンライン英会話とAI英会話の違いを整理したい方
研修の目的や対象者に合った英会話の研修方法を検討したい方
現在の英会話研修にAI英会話を組み合わせるべきか検討している方

▶︎ 目次
オンライン英会話とAI英会話は何が違う?
オンライン英会話は、ビデオ通話などを使ってオンライン上で講師とつながり、英会話レッスンを受けるサービスです。一方、AI英会話は、アプリやWebサービスなどを通じて、AIを相手に英会話を練習するサービスです。生成AIを活用したフリートーク機能を備えたサービスでは、決まったシナリオに沿うだけでなく、話題を広げながら会話を続けることもできます。
両者の基本的な違いを整理すると、次の通りです。
オンライン英会話 | AI英会話 | |
|---|---|---|
会話相手 | 外国人講師など | AI |
予約 | 予約制が一般的 | 不要 |
学習時間 | 予約した時間枠にて受講 | 好きなタイミングで、短時間から |
得意な練習 | その場の対人のやり取り | 場面・表現の反復 |
*具体的な機能や受講形式はサービスによって異なります。
どちらもオンラインで利用できるため、教室型の集合研修と比べると、受講者は移動の手間がかかりません。研修担当者も、場所の確保やグループ編成をしなくて済みます。
一方で、会話相手が人なのかAIなのかによって、取り組み方や、会話練習で重視できること、フィードバックの特徴に違いが生じます。
オンライン英会話とAI英会話を、法人研修で比較する4つの観点
法人研修で比較する際に確認したいのは、「取り組みやすさ」「会話練習」「フィードバック」「費用・提供範囲」の4つです。受講者にとって取り組みやすいか、必要な会話練習やフィードバックを得られるかを確認したうえで、予算の中で誰にどの程度の練習機会を提供できるかを考えます。
① 取り組みやすさ|始めやすく、続けやすいか
社員が継続的に英会話を練習するには、仕事の中で時間を確保できることに加えて、英語を話し始めるまでの心理的なハードルも関係します。
オンライン英会話は
受講者自身が講師や日時を選んで予約する形式が多い
予約によって、英語を話す時間を予定に組み込める
実在する相手との会話だからこその、適度な緊張感がある
予定の変更やキャンセルの調整が負担になることもある
オンライン英会話では、あらかじめレッスンを予約することで、英語を話す時間を予定として確保できるため一定の強制力が働きます。
特定の講師から継続して受講する場合には、「この先生と話したい」「前回より話せるようになりたい」といった関係性が、学習の動機になることもあります。
一方で、業務の予定が変わりやすい社員にとっては、予約やキャンセルの調整が、受講を続けるうえでの負担になる場合があります。
AI英会話は
予約や相手との時間調整が不要
隙間時間など、短時間から取り組みやすい
相手を気にせず、間違いを恐れずに繰り返し話せる
予定に縛られないぶん、受講の強制力は働きにくい
相手がAIなので、予約や相手への気兼ねなく、思い立ったときに自分のペースで話し始められます。
英語がすぐに出てこないときも考える時間を取りながら会話を続けられるため、人前で間違えることに抵抗がある社員でも、発話を始めるきっかけを作りやすい方法です。
一方で、受講の時間が決まっていないぶん、業務が忙しくなると後回しにされやすい面もあります。AI英会話を研修に取り入れる場合は、学習の目安を示す、進捗を確認して声をかけるなど、受講を促す仕組みとあわせて設計すると、継続しやすくなります。
法人研修では、予約や人との約束による後押しで続けるか、自由度の高い練習を受講促進の仕組みで支えるかが、取り組みやすさを比べるときの分かれ目です。
② 会話練習|どのような会話練習を重視するか
オンライン英会話は
実在する相手とリアルタイムでやり取りできる
講師自身の経験や考えを含む反応が返ってくる
相手の発言を受け、その場で会話を展開する経験を積める
人との会話では、相手も自分とは異なる考えや経験を持っています。学習者は相手の話を聞いて意図を捉え、予想していなかった質問にも対応しながら、自分の考えを伝えます。
そのためオンライン英会話では、実在する相手とのコミュニケーションそのものを練習できることが大きな特徴です。予想外の質問への即興の対応や、微妙なニュアンスのやり取りは、人との会話で経験を積みやすい領域です。
AI英会話は
さまざまな相手や場面を想定して練習できる
同じ場面やフレーズを繰り返し練習しやすい
生成AIによるフリートークで、話題を広げながら会話を続けられる
AI英会話では、学習者側が会話環境をコントロールしやすく、必要な相手や場面を想定しながら、納得できるまで繰り返し練習できることが大きな特徴です。上司・同僚・顧客など相手との関係性や、会議・商談などの業務場面を設定して練習できるサービスもあります。
会話練習においては、相手の反応を受けながら即興で受け答えする力を高めたい場合はオンライン英会話、決まった業務場面で使う表現や受け答えを繰り返し練習したい場合には、AI英会話が活用しやすいでしょう。
③ フィードバック|どのようなアドバイス・支援を受けられるか
具体的なフィードバック項目や内容はサービスによって異なりますが、オンライン英会話とAI英会話のどちらでも、学習者は発話に対するフィードバックを受けられます。ただし、人との双方向のやり取りの中で受けるアドバイスと、AIによる発話分析とでは、フィードバックの特徴が異なります。
オンライン英会話は
講師が学習者の発話や反応を見ながらフィードバックする
学習者からその場で質問し、説明を求められる
理解度や反応に応じて、説明や問いかけを柔軟に変えられる
英語指導の専門性やビジネス経験を持つ講師であれば、教材や問いかけ、会話の進め方、フィードバックなどを組み合わせながら、学習者の課題に応じた指導も期待できます。
AI英会話は
発話後すぐにフィードバックを受けられる
発音・文法・語彙・表現などを細かく確認できる
指摘された内容をその場ですぐに練習し直せる
発音や文法、表現についてフィードバックを受け、その場でもう一度話してみるなど、フィードバックと再練習を短いサイクルで繰り返せます。
法人研修では、講師にはその場での質問や理由の説明を求め、AIでは指摘された点を繰り返し直すというように、受けたい支援の種類で役割を分けて考えると比べやすくなります。
④ 費用・提供範囲|誰に、どの程度の練習機会を提供できるか
法人研修では、1人あたりの料金だけでなく、研修予算の中で、何人を対象に、どの程度の会話練習を提供できるかを考える必要があります。
オンライン英会話は
講師とのレッスン回数や時間に応じた料金体系が多い
人との会話機会を、必要な対象者に一定量提供できる
講師の専門性やレッスン内容も含めて費用を検討する必要がある
オンライン英会話では、講師が一人ひとりのレッスンを担当するため、講師の稼働時間に応じた費用がかかります。1人あたりの単価は比較的高くなりやすい一方、予約して講師と1対1で向き合う、学習強度も密度も高い練習になります。そのため、業務上の必要性や意欲の高い社員を選んで実施するケースも多く見られます。
AI英会話は
人とのレッスンと比べて、1人あたりの費用を抑えやすい
利用回数を気にせず練習できる料金体系もある
幅広い対象者に一定量の発話機会を提供しやすい
AIとの会話では、学習者が利用するたびに講師の稼働時間を確保する必要がありません。そのため、対象人数を広げたり、一人ひとりの練習量を増やしたりしやすく、①で見た始めやすさとあわせて、幅広い社員に発話・会話練習の機会を提供する施策として取り入れやすい方法です。
このように、オンライン英会話は講師との個別の会話機会やフィードバックを一人ひとりに厚く提供しやすく、AI英会話は同じ予算の中で対象人数や一人あたりの練習量を広げやすい傾向があります。
対人レッスンは対象者を絞って厚く、幅広い層の練習量はAIで確保するといった配分で考えると、予算を活かしやすくなります。

自社に合うのはどれ?4つの導入パターン
4つの観点のうち何を重視するかによって、適した導入パターンは変わります。ここでの「自社に合う」とは、対象者に必要な会話練習を、予算と運用体制の中で継続して提供できることを指します。
重視すること | 検討しやすいパターン |
|---|---|
即興の対人対応を、近いうちに身につけたい(②) | オンライン英会話中心 |
幅広い対象者に、練習量を確保したい(①④) | AI英会話中心 |
対人経験と日常の反復を両立したい(②③) | オンライン英会話とAI英会話を併用 |
人と話す心理的ハードルが高い層から始めたい(①) | AI英会話からオンライン英会話へ |
以下のパターンは推奨の順位ではなく、目的と対象者から導入の形を考えるための例です。また、4つのパターンは、対象者ごとに使い分けることもできます(後述)。

オンライン英会話を中心にする
人を相手に英語でやり取りする経験を重点的に積ませたい場合は、オンライン英会話を中心にした研修が選択肢になります。
海外の顧客や同僚との会議など、人の発言を受けながらその場で対応することが求められる社員には、実際の相手と会話する経験が重要になります。
一方で、レッスンの時間だけで必要な練習をすべて賄うのは難しいため、前回うまく言えなかった表現の復習や、次回のテーマについて話したい内容の準備など、レッスンの間の練習も欠かせません。自習教材やAI英会話などを、こうした反復練習に利用する方法も考えられます。
対人会話の機会と、そのための準備・復習をどうつなぐかまで設計することがポイントです。
AI英会話を中心にする
幅広い対象者に日常的な発話の機会を提供したい場合や、決まった業務場面の表現を繰り返し練習したい場合は、AI英会話を中心にした研修が選択肢になります。
予約や時間調整が要らず、隙間時間から取り組めるため、勤務形態や拠点が異なる多くの社員にも練習の機会を届けやすい方法です。初級者の発話練習から、中級以上の業務場面に合わせた練習まで活用できます。
対象者のレベルや業務場面に合う練習を提供できるかを確かめたうえで、学習の目安や進捗の確認など、受講を続けてもらう仕組みまで設計することがポイントです。
人とAIを並行して使う
対人のコミュニケーション経験と、日常的な反復練習の両方を継続して取り入れたい場合の方法です。スピークバディ for Businessでも、企業からの引き合いが多い導入パターンです。
たとえば、普段はAIを使って必要な表現や業務場面を繰り返し練習し、オンライン英会話でその内容を実際の人との会話で使ってみます。
反対に、オンライン英会話でうまく言えなかった内容をAIで練習し直すなど、「AIで練習する→人と話す→見つかった課題をAIで再び練習する」という循環も作れます。
たとえばオンライン英会話を週1回程度取り入れるなど、頻度は受講者の負担と予算に合わせて調整します。両方を導入する場合は、それぞれに何を担わせるかを研修設計の段階で決めておくと、役割がはっきりします。
AIから始めて、人との会話へ進む
人との英会話にまだ抵抗がある対象者には、AIで発話に慣れてから、人との会話へ進む方法もあります。
最初はAIを相手に、自分のペースで英語を口に出し、必要な表現や場面を繰り返し練習します。その後、人とのやり取りを練習する段階でオンライン英会話を取り入れます。
たとえば、AIとの練習では「会議で自分の意見を英語で説明する」ことを繰り返し練習し、オンライン英会話では「相手から質問を受けながら意見交換する」ところまで広げる、といった設計が考えられます。
移行の時期は一律に決めず、「短いやり取りを止まらずに続けられる」など、研修目的に応じた目安を設け、対象者の状態を見て判断します。
対象者ごとにパターンを使い分ける方法も
4つのパターンは、全社で1つに決めるだけでなく、対象者ごとに使い分ける方法もあります。
たとえば、海外との会議や商談を担う選抜層にはオンライン英会話を中心に提供し、幅広い社員にはAI英会話で日常的な練習の機会を提供して、全体の底上げを図るといった設計です。④で見た費用の違いを踏まえると、限られた予算を必要な対象者と練習に配分しやすくなります。
法人研修では、誰に、どのような会話練習を、どれだけ提供したいのかから研修方法を検討しましょう。
まとめ|誰に・どんな練習を・どれだけ提供するかで選ぶ
オンライン英会話では実在する相手とのその場のやり取りを、AI英会話では自分のタイミングで、必要な場面や表現の反復を練習できます。
法人研修では、取り組みやすさ、会話練習、フィードバック、費用・提供範囲の4つの観点から、何を重視するかを整理し、自社の対象者に合うパターンを選びましょう。

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