
ビジネス英語の研修、効果測定はTOEIC®︎が最適? 伸ばしたい力に合う測定方法組織・人材育成2026.10.20


企業でビジネス英語の研修を実施する中で、
「社員の話す力を伸ばしたいが、TOEICのスコアでその変化を確認できるのだろうか」
と悩む人事・研修担当者もいるのではないでしょうか。
TOEIC®︎ Listening & Reading Test(以下、TOEIC L&R)のスコアは英語力の目安として活用できます。ただし、英語研修では、伸ばしたい力と、テストで測る力をそろえることが大切です。
この記事では、TOEIC L&Rと3つのスピーキングテストが測る力や特徴を整理し、研修の目的に合った学習内容と測定方法をそろえる考え方を紹介します。
この記事は次のような方におすすめ
ビジネス英語の研修目的に合う測定方法を考えたい方
TOEICスコアを使った効果測定が、研修の目的に合っているか確認したい方
Versant™️やPROGOS®︎など、スピーキングテストの違いを知りたい方

▶︎ 目次
ビジネス英語の研修で、どんな力を伸ばしたいか
「ビジネスレベルの英語を身につけてほしい」と考えるとき、まず確認したいのは、社員がどのような業務で英語を使うのかです。求められる力は、職種や担当する仕事によって異なります。
例えば、英語の論文や調査資料を読む研究職・調査担当には、内容を正しく読み取る力が必要です。海外拠点との会議に参加する社員には、相手の説明を聞き、自分の意見や確認事項を伝える力が求められます。顧客への商品説明を担当する社員なら、説明に加えて質問へ答える力も必要です。
研修で伸ばしたい力を具体的にすると、学習内容と測定方法を考えやすくなります。
研修の目的や到達目標の整理から始めたい方は、英語研修の企画・導入の流れを解説した以下の記事も参考にしてください。
企業の英語研修、何から始める?企画からサービス選定・効果測定まで7ステップで解説
https://sbbiz.jp/column/corporate-english-training-guide
ここからは、そのうち「話す力」に焦点を当て、測り方を紹介します。
話す力を伸ばしたいなら、測定も話す力に合わせる
TOEIC L&Rは、英語を「聞く」「読む」力を測るテストです。これらの力を把握したり、学習による変化を確認したりするための指標として活用できます。
一方、受験者が実際に声に出して回答する試験ではないため、「話す」力を直接測っているわけではありません。TOEIC L&Rのスコアだけでは、社員がどの程度説明したり、受け答えしたりできるかを一律に判断することはできません。
大切なのは、どのテストが優れているかではなく、研修で伸ばしたい力と、テストで測る力が合っているかです。
話す力の変化を確認したいなら、実際の発話を評価するテストも選択肢に入れてみましょう。
話す力を測るテストには、どんなものがある?
スピーキングテストでは、質問に口頭で答えたり、提示された内容を説明したりする課題を通じて、発話を評価します。ただし、課題や結果の示し方はテストごとに異なります。
ここでは、PROGOS、TOEIC Speaking、Versantの3つを紹介します。
テストの特徴を比較
テスト | 測る力 | 課題の例 | ビジネス英語の力を測るうえでの特徴 | 結果の示し方 |
PROGOS®︎ | 話す力 | インタビュー、図の説明、ロールプレイなど | ビジネスシーンを踏まえ、質問に十分に答えられるかを評価。流暢さだけでなく、やり取りや話の筋が通っているかなども確認できる。 | CEFR-Jに対応する総合評価と、発話の項目別評価 |
TOEIC®︎ Speaking | 話す力 | 音読、写真描写、応答、資料に基づく応答、意見の提示など | 資料をもとに情報を伝える、自分の意見と理由を述べるなど、職場での説明・応答に関わる話す力を確認できる。 | スピーキングのスコアと、能力の説明 |
Versant™️ English Speaking and Listening Test | 話す・聞く力 | 復唱、聞いた内容の再話、意見の提示など | 日常的な内容の英語を聞き、すばやく理解して口頭で応答する力を確認できる。業務でのやり取りの土台となる力を把握する材料になる。 | 話す力・聞く力などのスコアと、CEFR等との対応 |
※テストの種類やバージョンによって仕様が異なるため、受験を検討する際は各テストの公式情報をご確認ください。
テスト結果のレベルを示す際に用いられるCEFR(セファール)は、「言語を使って何ができるか」をA1〜C2の6段階で示す共通の枠組みです。A1・A2は基礎段階、B1・B2は自立して言語を使える段階、C1・C2は熟達した段階に位置づけられます。話す力についても、簡単な受け答えから、意見と理由の説明、複雑な話題での議論まで、できることが段階的に示されています。CEFR-Jは、CEFRをもとに日本の英語教育向けに段階を細分化したものです。
結果がCEFRに対応して示される場合は、「どのレベルに何人いるか」という受講者の分布を把握する材料になります。研修の対象層を考えたり、研修前後の分布の変化を確認したりする際に活用できます。
テストを選ぶときは「どのテストが一番よいか」よりも、「今回の研修で、どの力を確認したいか」を起点に、各テストの課題や評価項目を照らし合わせましょう。候補が見えてきたら、受験方法や費用など、自社で実施しやすい条件も確認すると検討を進めやすくなります。
変化を確認したい場合は、研修を始める前に一度測っておくことが大切です。研修の前後で同じテストを使うと、変化を比べやすくなります。ただし、テスト結果だけで、実際の業務での成果や専門知識まで判断できるわけではありません。

まとめ|研修の目的に合わせて、学習内容と測定方法をそろえる

ビジネス英語の研修では、伸ばしたい力に合わせて、学習内容と測定方法をそろえることが大切です。
例えば、会話で説明・応答する力を伸ばしたいなら、実際に英語を話す練習を取り入れ、その力を確認できるスピーキングテストで測定します。聞く・読む力も把握したい場合は、TOEIC L&Rと併用することもできます。
全社共通の英語力の把握と、個別の会話研修の効果測定で、テストを使い分ける考え方もあります。一つのテストに全てを任せる必要はありません。
まずは、現在の研修で伸ばしたい力と、測定している力が合っているかを確かめてみましょう。

参考情報
参考:IIBC|TOEIC Listening & Reading Testとは
参考:IIBC|TOEIC Speaking Test:テストの形式と構成
参考:Pearson|English Speaking and Listening Test Official Guide
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